なんで私が近大に？：近畿大学 受験BBS

そこには、薄暗い机と古びた教科書が散乱している。周りに目をやると、どこか鬱屈とした教室。窓の外には、初夏の風に揺れる木々に囲まれた近大のキャンパスが広がる。

｢こんなはずじゃ...｣

そう、思い返せば3年前のあの日、難関大学に憧れ、そして自らの使命を決定した...はずなのに。受験勉強に明け暮れた日々、受験日が近づくにつれ膨らむ期待と不安、そして合格発表の瞬間の、絶望。何故だろう、理由は分からない。どうして、こんな事に。
そんな不甲斐なさに失望しつつ、抑揚のない教授の声を子守唄に、私は居眠りをした。



目覚めると、どこか懐かしく感じると共に、頭にはジンジンと痛みが走る。その原因はきっと本を枕にしていたからのようだ。随分、長いこと寝てしまったようだ。そして不意にその本の表紙が目に入る。

｢青、チャート...｣

「まさか、まさか...」

見慣れた光景。実家の自室に私はいた。 頭の中の整理をしようと試みるが、記憶は断片的で曖昧だ。机上の電子時計は2022年5月13日を表示する。

なぜ、自分が過去に戻っているのか？

混乱する頭の中で、ふとゴミ箱に捨てられたカレンダーが目に入る。そこには、赤字で大きく書かれた日付が刻まれていた。

「あの日...？」

日付は、遥か昔、自分が受験勉強を始めた日を示す。

理解できない現実を前に、ただひたすら茫然と立ち尽くす。

しかし、その奥底には、どこか薄らとした安堵の気持ちも芽生えていた。

省みる。理由は、明らかだったようだ。必要な努力から目を背け、楽な道を選んでしまっていた自分。その弱さを、認めたくないからこそ、深層心理で虚構の記憶を捏造し、ありもしない、しかし有り得る未来を作り上げたのだろう。

現実を受け入れることは、苦しい。しかし、その先にこそ、真の成長があるのかもしれない。

そう悟った瞬間、目の前のキッチンタイマーから無機的な音が聞こえてきた。

｢ピピピッピピピッ｣

休憩時間の終了を知らせる音。
未来の自分と向き合い、そして、決別する意思を固めた。

私は、もう一度、ペンを握る。

駄作だ。当たり前過ぎる。

仮面しよっかな

過去に戻れなかったバージョンが俺
ほんまどうしてこうなった

あはは、つまらん

知らね−よ、そんなの。

先バレ２回外したって