2014 2/14 社会学部：立教大学 受験BBS

立教大学社会学部受験者のスレッド

古文の現代語訳長いけどあげるよ！
一部抜けてる申し訳ない…

　太上天皇などと申し上げると、想像したところでは年配で盛りをお過ぎになったような感じがするが、まだ三十歳にもなられないので、万事につけて若々しくみずみずしい魅力があって、りっぱでいらっしゃるうえに、時の重臣で重々しくいられるはずの太政大臣までも、上皇に対しては、どんな風にしようか、と御意にかなうようなことばかりを工夫し、何とかして珍しいことをしようと騒ぎ立てておられるので、たいへん花やかな時代である。

　（上皇がお若いのだから）まして天皇は幼くいらっしゃるので、他愛もない御遊びの外になさることもない。摂政実経（さねつね）公までも若くいらっしゃるので、夜昼伺候なさって、女房の中にまじっては、乱碁（らんご）・貝おおい・手まり・へんつきなどのことを思い思いにして日をお過しになるので、お側の人々も気をゆるめ難く、気づかいをするようだ。

　節会（せちえ）・臨時の祭、何やかやの儀式などを女房にまねさせて御覧になると、太政大臣実氏公もおもしろがられて、わざわざ小さい笏（しゃく）などを作らせてたくさん奉られると、天皇もお喜びになる。

　入道太政大臣公経公の御息女、大納言三位殿という方を関白になされる。按察（あぜち）の典待（すけ）隆衡女、大納言典侍、勾当（こうとう）の内侍（ないし）、弁の内侍、少将の内侍、こういう人々をみな男の官職にわりあててその役を勤める。女房らが「たいへんつらいこと」といって憂鬱がっているのもおもしろい。

　五月五日かぶとの花や薬玉（くすだま）など、いろいろたくさん献上してくる。朝餉（あさがれい）の間で人々があれこれ引っぱったりいじったりしていると、三条大納言公親（きんちか）の奉った、根に露の置いた蓬（よもぎ）の中に、「ふかき」という字を結んである、その糸の様子もなよなよと優美にみえるのを天皇も御目をとめて、「何でもよいから歌にせよ」とおっしゃるのを、人々も（天皇を）大人びなさっていると見申し上げる。弁内侍が、底の知れぬような深い沼から掘り取ったあやめ草の根のように、「深い」心だといいますが、どうでしょう、蓬生（よもぎう）の露のように、上辺（うわべ）に置くはかないものではないですか。